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VPSでローカルLLMを動かすのに、メモリはどれだけ要るか:モデルファイルとKVキャッシュ

ローカルのモデルを動かすためにサーバーを借りる前に、どれだけメモリが要るかを知っておく必要があります。答えは2つの部分からなります。モデル本体と、会話の長さや同時に処理するリクエスト数に応じて増えるキャッシュです。この記事では、Ollamaライブラリ、Ollama FAQ、公式のモデル設定ファイルが示す内容をまとめ、よく使われる6つのモデルについてキャッシュを計算し、自分の数値でも試せるようにしました。

この記事の末尾に、アフィリエイト広告(PR)のリンクがあります。

公開: · 約6分で読めます · モデルのデータは 2026-10-26 に公式の情報源で確認しました。サイズや既定値は変わるので、プランを選ぶ前に確認してください。

メモリを使うものは2つ

1つめはモデルの重みで、ダウンロードするファイルとほぼ同じ量のメモリを使います。2つめはKVキャッシュで、コンテキスト内のテキストについてモデルがすでに計算したキーと値を保持します。Ollama FAQには、必要なRAMは OLLAMA_NUM_PARALLEL と OLLAMA_CONTEXT_LENGTH の積に比例して増えると書かれています。

キャッシュの大きさは、モデルの設定から求められます。2 × 層の数 × KVヘッドの数 × ヘッドの次元 × 1つの値のバイト数 で1トークンあたりのバイト数になり、これにコンテキスト長と並列リクエスト数を掛けます。f16では1つの値が2バイトです。層が36、KVヘッドが8、ヘッドの次元が128のQwen3 8Bでは、1トークンあたり 2 × 36 × 8 × 128 × 2 = 147,456 バイトです。4,096トークンなら576 MiB、32,768トークンなら4,608 MiBになります。この式は設定値からの当サイトの計算であり、Ollamaが公表している数値ではありません。

モデルごとに公式の情報源が示すこと

ダウンロードサイズと量子化は、Ollamaライブラリが各タグに表示しているものです。以下の6つのタグはいずれもQ4_K_M量子化として表示されています。層の数、KVヘッドの数、ヘッドの次元は、Hugging Face上の各モデルのconfig.jsonによります。

モデルダウンロードサイズ (GB)層の数KVヘッド数ヘッドの次元
Qwen3 0.6B0.523288128
Qwen3 1.7B1.4288128
Qwen3 4B2.5368128
Qwen3 8B5.2368128
Qwen3 14B9.3408128
Mistral 7B (v0.3)4.4328128

Mistral 7Bの設定にはヘッドの次元が書かれていないため、隠れ層の大きさをアテンションヘッドの数で割った 4096 ÷ 32 = 128 としています。OllamaライブラリのQwen3 4Bのタグには、256Kのコンテキストウィンドウが記載されています。Hugging Face上のQwen3 4Bの2507リリースは、層の数、KVヘッドの数、ヘッドの次元が元のモデルと同じです。

メモリにとって何を意味するか

上の式を使い、各モデルについて2つのコンテキスト長でのキャッシュと、4,096トークンでの推定合計を表にしました。合計は、重みと、一度に1リクエストの場合のf16のキャッシュと、OSやほかのサービスのための1 GiBの予備を足したものです。最後の列は、それが収まる最小の一般的なメモリサイズです。

モデル4,096トークンでのKVキャッシュ (MiB)32,768トークンでのKVキャッシュ (MiB)4,096トークンでの推定合計 (GiB)収まる最小の一般的なメモリサイズ (GiB)
Qwen3 0.6B44835841.922
Qwen3 1.7B44835842.744
Qwen3 4B57646083.894
Qwen3 8B57646086.418
Qwen3 14B640512010.2912
Mistral 7B (v0.3)51240965.608

これらは推定であり、実測ではありません。4,096トークンでぎりぎり収まるモデルは、コンテキスト長を上げると収まらなくなります。32,768トークンでは、Qwen3 8Bのキャッシュだけで4,608 MiBになります。

コンテキストを長くする、並列リクエストを増やす

  • Ollama FAQには、必要なRAMは OLLAMA_NUM_PARALLEL と OLLAMA_CONTEXT_LENGTH の積に比例して増えるとあり、例として、2Kのコンテキストで4つの並列リクエストなら8Kのコンテキストになり、追加のメモリが必要になると書かれています。
  • OLLAMA_NUM_PARALLEL の既定値は1と記載されているので、1人で使うサーバーは一度に1リクエストから始まります。
  • FAQにはまた、キーバリューキャッシュを q8_0 で量子化するとf16の約半分のメモリ、q4_0 では約4分の1になるとあります。FAQの比率を使うと、Qwen3 8Bの4,096トークンでのキャッシュは、q8_0 で約288 MiBに縮みます。
  • Ollamaドキュメントのコンテキスト長のページには、コンテキスト長を大きくするとモデルに必要なメモリが増えること、そしてモデルがCPUにオフロードされているかどうかは ollama ps の PROCESSOR 列で確認できることが書かれています。

自分の数値で試す

下の計算ツールは、同じ式と同じデータを使っています。モデルを選ぶか自分で入力し、コンテキスト長、並列リクエスト数、キャッシュの種類、予備を設定して、検討中のプランのメモリを入力すると、推定が収まるかどうかがわかります。

試してみる: Local LLM Memory Estimator

モデル

Ollamaのタグ qwen3:8b、量子化 Q4_K_M、ダウンロードサイズ 5.2 GB。

見積もり

モデルの重み
4.84 GiB
KVキャッシュ
0.56 GiB
予備
1.00 GiB
合計
6.41 GiB (6.88 GB)
収まる最小の一般的なメモリ容量
8 GiB

これは見積もりです。ランタイムの計算用バッファは含まれておらず、すべてのレイヤーでKVの形が同じであることを前提にしています。プランを選ぶ前に、実際に動かして測ってください。

モデルのデータは 2026-10-26 に確認しました。

出典: Ollama library · モデルの設定ファイル(config.json) · Ollama FAQ

すべてブラウザの中で動きます。アップロードはされません。

プランを選ぶ前に

  • この推定には、ランタイム自身が計算用バッファに使う作業メモリは含まれていません。当サイトの提案:テストサーバーでモデルを動かし、使うつもりのコンテキスト長でメモリ使用量を見て、余裕を持たせてください。
  • 1 GBは1,000,000,000バイト、1 GiBは1,073,741,824バイトです。事業者の「GB」はどちらの意味の場合もあるので、比べる前に事業者の数え方を確認してください。
  • 制約はメモリだけではありません。表のモデルファイルにはディスク容量も必要で、当サイトが確認した資料には、CPUだけで動かしたときの速度の数値は載っていません。
  • ぎりぎり収まるモデルなら、収まるところまでコンテキスト長を下げるのではなく、ひとつ上のサイズか、より小さいモデルを選んでください。

VPSを選ぶときは:AIで使う目で6社を見る(PR)

プランは、まずメモリ、次にモデルを置くディスク、そのあとCPUの順に見ます。ここでは、国内の6つのVPSを、AIを動かす目で見て、公式ページに書かれていることと、当サイトの見立てを並べました。

同じ運営者のサイト sabakore.com の「AI・LLM向けVPS診断」では、動かしたいモデルと月額の上限から、メモリに載るプランを料金の安い順に並べられます(GPUは使わず、CPUだけで動かす前提の診断です)。

sabakore.com のAI・LLM向けVPS診断を開く

評価のものさし

  • メモリ: いちばん大きいプランのメモリ。12GB以上なら○(Qwen3 14B が4,096トークンで約10.3 GiB。記事「VPSでローカルLLMを動かすのに必要なメモリ」の表)、8GB以上なら△(Qwen3 8B が約6.4 GiB)。
  • AIツールの入れやすさ: 公式ページに AI 用のテンプレートやスクリプトの記載があれば○、Docker の構築環境だけなら△、記載がなければ×(使えない、という意味ではありません)。
  • 料金と速さは評価しません。料金は変わり、CPUだけで動かしたときの速さは公式に数字がないためです。

公式ページで確認した日:

以下の6社の紹介は、アフィリエイト広告(PR)です。リンク先で申し込みがあると、当サイトの運営者に報酬が支払われます。並びは名前順で、報酬額は並びに関係ありません。評価は、各社の公式ページの記載(確認日は下に表示)だけにもとづく当サイトの見立てで、実際に動かして測ったものではありません。プランの内容や料金は変わるので、申し込む前に公式で確認してください。この記事は、これらのサービスでの動作を保証するものではありません。

  • ConoHa VPS (PR)

    メモリ○AIツールの入れやすさ○

    公式ページに書かれていること

    • 料金表のメモリは512MBから128GBまで(CPUは最大40コア)
    • スタートアップスクリプトで OpenClaw、Claude Code、n8n、Dify などを導入できると書かれている
    • GPUプランは、このページには記載なし(GPU用の案内は別のページ)

    当サイトの見立て

    メモリの選択肢が広く、AIツールを入れる仕組みも公式に用意されているので、「まず Dify や n8n を動かして試す」使い方と、大きめのモデルを載せたい使い方のどちらにも向きます。

    申し込む前に

    最小プランの書き方がページ内で食い違っています(料金表は512MB、FAQは1GB〜)。申し込む前に、いま選べるプランを公式で確認してください。CPUだけで動かしたときの速さは公式に数字がありません。

    ConoHa VPSの公式サイトで申し込む(PR)公式ページ

  • KAGOYA CLOUD VPS (PR)

    メモリ△AIツールの入れやすさ○

    公式ページに書かれていること

    • メモリは1GB・2GB・4GB・8GB(CPUは最大6コア、SSDは100GB〜800GB)
    • 「オープンソースのAI開発基盤DifyをVPSで手軽に導入」できると書かれ、Docker の構築済みサーバーもある
    • 日額・月額(月額上限あり)と年額の定額プランがある

    当サイトの見立て

    Dify を動かす用途が公式に想定されています。日額の料金から使えるので、「まず試して合わなければやめる」進め方がしやすい一方、メモリは8GBまでなので、載せられるモデルは8B級までが目安です。

    申し込む前に

    8GBでの Qwen3 8B は、4,096トークンの見積もりで約6.4 GiBです。コンテキストを長くする、同時に使う人を増やすと足りなくなります。GPUプランはこのページに記載がありません。

    KAGOYA CLOUD VPSの公式サイトで申し込む(PR)公式ページ

  • XServer VPS (PR)

    メモリ○AIツールの入れやすさ○

    公式ページに書かれていること

    • 料金表に載っているのは2GB・4GB・8GBの3プラン(NVMe SSD、8GBは6コア・400GB)。FAQには高負荷の用途向けに最大64GBのプランがあると書かれている
    • アプリイメージに Dify があり、FAQは用途の例として「AIツールのホスティング」を挙げている
    • GPUは、別サービスの「GPUサーバー」へのリンクがあるだけで、VPSのページには記載なし

    当サイトの見立て

    Dify のアプリイメージと「AIツールのホスティング」という用途が公式に書かれています。小さく始めて、必要になったら大きいプランへ、という使い方ができそうです。

    申し込む前に

    64GBのプランの内容や料金は、このページには載っていません。大きいモデルを載せたいときは、申し込む前に、そのプランが今も選べるかを公式で確認してください。

    XServer VPSの公式サイトで申し込む(PR)公式ページ

  • お名前.com VPS (PR)

    メモリ○AIツールの入れやすさ×

    公式ページに書かれていること

    • メモリは1GBから16GBまで(CPUは最大10コア、SSDは100GB〜1TB)
    • KVM の仮想化で、Linux 環境を使える
    • AI や Docker のテンプレートは、このページには記載なし

    当サイトの見立て

    16GB・10コア・1TBまで選べるので、自分でモデルを入れて動かす前提なら、メモリとディスクには余裕があります。AIツールの導入は自分で組み立てることになります。

    申し込む前に

    AI向けのテンプレートや手順は公式にありません。このサイトの「VPSにOllamaを入れて動かし続ける」の手順で自分で入れることになります。

    お名前.com VPSの公式サイトで申し込む(PR)公式ページ

  • クラウドVPS byGMO (PR)

    メモリ○AIツールの入れやすさ×

    公式ページに書かれていること

    • Vシリーズは1GB・2GB・4GB・6GB・8GB・12GB(CPUは最大7コア、ディスクは50GB〜800GB)
    • プランの月額料金とは別に、サーチャージ費が課金される
    • AI や Docker のテンプレートは、このページには記載なし

    当サイトの見立て

    12GBまで選べるので、8B級のモデルを長めのコンテキストで使いたいときの選択肢になります。AIツールは自分で入れる前提です。

    申し込む前に

    月額に加えてサーチャージ費がかかるので、実際の支払いは料金表より増えます。申し込む前に、合計の目安を公式で確認してください。

    クラウドVPS byGMOの公式サイトで申し込む(PR)公式ページ

  • さくらのVPS (PR)

    メモリ△AIツールの入れやすさ△

    公式ページに書かれていること

    • メモリは512MBから8GBまで(CPUは最大6コア、SSDは25GB〜400GB。オプションで最大800GB)
    • 用途の例に「AI / 機械学習用途」があり、推奨はメモリ16GB〜・SSD 100GB〜と書かれている(掲載プランの最大は8GB)
    • スタートアップスクリプトに Docker の構築環境がある。AI専用のテンプレートは記載なし。石狩・大阪・東京から選べる

    当サイトの見立て

    公式がAI用途の推奨に挙げる16GBには、掲載プランの最大(8GB)が届きません。4B級までの小さなモデルや、Dify だけを動かす使い方なら選べます。

    申し込む前に

    8GBまでのプランで、AI用途の公式の推奨(16GB〜)を満たすものは、このページにはありません。GPUプランも記載がありません。

    さくらのVPSの公式サイトで申し込む(PR)公式ページ

出典

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